わが家のジェンダーギャップ探索座談会「それぞれの家庭の、それぞれの正解を、発見せよ」〜女性編〜

わが家のジェンダーギャップ探索座談会【女性編】

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2026.09.06

家事も、育児も、仕事も。分担のかたちは、家庭の数だけあります。
one woman PROJECTでは、福井で暮らす4人の女性・男性に集まっていただき、それぞれ、座談会形式で、わが家の現在地を語ってもらいました。
これまで、何を揉めて、何を話して、何を変えてきたのか。正解と、そこへのルートは、探した人の数だけあるはずです。

― 話した人 ―
※プライバシー保護のため、参加者のみなさんのお名前は動物名に置き換えています。ファシリテーターのみ、ご本人の了承を得て実名で掲載しています。

坂井美帆さん(ファシリテーター)
福井市出身、東京在住。広報PRの仕事を経てフリーランスに。世界で活躍する日本人女性へのインタビューをポッドキャストで配信中。夫と柴犬1匹の暮らし。

フクロウさん
40代後半。長く公務の職場で働いたのち、独立して食と健康の仕事を。高校生と中学生、3人の子どもがいる。夫は同年代で、自営業。

コアラさん
30代前半。3歳と1歳の子どもがいる。夫は同い年で、同じ職業。今年の春に育休から復帰したばかり。

キツネさん
30代後半。5歳と7歳の子どもがいる。医療の仕事を続けながら、自宅で開業。夫は同い年で、夜勤のある仕事。月の半分は家にいない。

クマさん
30代前半。1歳の子どもがいる。接客の仕事と、高校生のサポート役をかけもち。夫は夜勤のある仕事で、料理担当。


1,「決めない」という決め方

福井は共働き率が全国トップクラスですよね。
でも、もしかすると家庭のことは女性の方が多くやっているんじゃないかな、と思います。みなさん、旦那さんとどんなふうに分担されていますか。

うちは今年の春に育休から復帰したところで。
夫も同じ職業なので、朝は自然と得意な方をやる感じです。
洗濯をたたむのは夫、ごはん系は私。二人でフル稼働して、やっと間に合っている状態です。

話し合って取り決めたわけじゃないんですね。

そうですね。最初は「これやってる間、何したらいい?」って聞いてきてくれて。3か月経って、やっとルーティンができてきたかなという感じです。

うちも決めてないです。役割で決めてしまうと、できなかった時に「それ、あなたの役割でしょ」みたいになるのが嫌で。
得意なことを得意な方が、気づいた方がやる、という感じで回しています。

自分ばっかり気づいて、旦那さんが気づいていない、みたいなことはないですか。

あります、あります。もっと綺麗にやってほしいのに、と思うことも。
でも先輩から「子育てと一緒だよ。やってくれたことに感謝して、気になっても目をつぶった方がいい」と教わり、そうしています。

うちも決めていません。気づいた方がやる、という感じで。夫は料理が趣味で、ほぼ毎日つくってくれるんです。私の方が甘えてますね。

うちは子どもたちが大きくなってきたので、夫婦で分担というより、家族で回す仕組みに変わってきました。
お米の当番、お味噌汁の昆布とかつおをつける当番も決めて。やっていないと私がキレる、という感じですが。

2,いまのかたちになった、きっかけ

ちょっと数字で聞いてみましょうか。家事と子育て、旦那さんとの割合は何対何くらいですか。

6対4で、6が私です。

7対3くらいかな、7が私で。ただ、うちは夫が月の半分くらい家にいない勤務なので、体制的にもそうなってしまうというのはあります。

6対4か、5対5か……。私がごはんをつくっている間に子どもを見てくれているので、見ていてくれるとしたら5対5かな。

私はフルタイムで働いていた頃、8対2でした。
それはすごく反省していて。もっとうまくやれていたら、体調を崩す前に何か変えられたのかな、と最近思うことがあります。

正直、8割を女性が負担しています、という方が多いのかなと想像していました。ちなみに、それぞれ今の形になったきっかけって、何かありましたか。

私は完全に、育休からの復帰ですね。産む前は二人とも自分のペースでやれていたのが、復帰した途端に朝が回らなくなって。もう一度ゼロから組み直した感じです。

うちは、上の子が小学校に上がるタイミングでした。
仕事に復帰して、時短も夜勤免除もなくて、夫も夜勤なので、家がどうやっても回らなくなって。それで自分で開業する道を選びました。

私は在宅で仕事をするようになったことと、体調を崩して職場を辞めたこと。
あの時に、夫婦だけで抱えるのはもう無理だなと思って、子どもたちにも当番を持ってもらうようにしました。

うちは夫が夜勤の仕事になってからですね。子どもが寝る頃に帰ってくるので、会える時間が限られる。だからいる時にはやってくれる、という形に自然となりました。

3,最初から、こうだったわけじゃない

みなさん、最初からパートナーの方は一緒に家事をやってくれる人だったんですか。

夫のお父さんが、家事をほぼゼロに近いくらいしない人だったみたいで。だから夫は「自分は、君が立っている時は立っていようと思う」って、最初に言ってくれたんです。それでこちらも仕事を自然に任せられるようになりました。

うちの夫のお父さんも同じような感じで。母の悩み相談を小さい頃から受けていたから、自分はやろうと思っていたらしいんです。ただ、やり方がわからない。「教えて」ってずっと言われていました。

教えて、って正直に言える人はなかなかいないですよね。

でも私は、その「言う」のが苦手だったんです。読み取ってほしい、察してほしいという気持ちが強くて。なんでそんなこともわからないの、って。

うちは一度、「男は大昔から狩猟採集をしていて…」みたいな理論を説明されたことがあって。そこで、あ、そもそも気づけないんだな〜と私が思ってから、逐一「これお願い、あれお願い」と言うようになりました。それからは大きな喧嘩はないです。

4,小出し作戦と、カレンダー

お願いする時って、我慢をし続けて、限界を超えてから言うんですよね。でも夫からしたら「なんで急にキレモードで来たの?」って。こっちにはそれまでの伏線があるんですけど。

だからわが家は「これがあと5回くらいあるとキレそうなので、一旦小出しにさせていただいていいですか」と言いました。レベル5になる前にお伝えしておきます、と。夫も「え、そんなに積もるものなのか!」と気づいてくれて。

小出し作戦。面白いですね。

ただ、階段みたいに順々に積もるわけでもないんですよ。1だったのが急に4になって、「今レベルいくつ?」と聞かれた瞬間に10になることもある。自分のコンディションにもよるので。

うちの夫は理系なので、なんでも明確に表さないとわからないと言われて。予定を共有するアプリに「今日はあなたの番です」と書き、さらに「疲れました」と添えるようにしました。自宅で仕事をしていると忙しさが見えにくいので、そこまでやれば伝わって。

私は細かいことを伝えるのがストレスなんです。麦茶がなくなったら作らなきゃ、みたいなことは気づいてもらいにくい。だから洗濯物、皿洗いみたいに大きくてわかりやすい仕事を託して、細かいものは自分でやる。

そもそも、なぜレベル10まで溜めてしまうんでしょうね。

私は、溜まっている途中は自分でも気づいていないんです。まだいいか、言わなくてもいいかな、と思っているうちに、気づいたら言っちゃってる。

でも小出しを続けていたら、今度は夫の方に察する力がついてきたんです。「塾のお迎えが続いてるから、次は俺が一回言っておかないとやばいな」って、夫の側から言うようになって。察する力って、育てられるんだなと思いました。

5,慣習ではなく、わが家ならではの問題

知らないうちに親や地元の慣習などを受け継いでしまっているもの、ありますか。私は、お惣菜を買ってくることでした。母がお惣菜を食卓に並べたことがなくて。買ってくることがすごく後ろめたかったんです。友人に「平日は全部買ってるよ」と言われて、あ、それでいいんだ、と。

私は、家事を回すのは女性、という考え方でしょうか。夫と同じ職業なのに、どうせ私の方が早く帰るし、私が回さなきゃ、何時までに寝かせなきゃって勝手に焦っているんです。女の人が回すもの、というのが自分の中にも染みついているんだなと思います。

親から受け継いでいることは、あまりないです。ただ、夫は「飲み会だから」ってふらっと出ていけるのに、こっちが出かけるなら家族のごはんをつくってから、帰ったら洗濯を干さなきゃ。あと「料理は妻の方が得意だから」と言われますけど、それは何回もつくってきたからなんですよね。家事は回数に応じて身につくもの。得意だったんじゃなくて、回数をこなしたからです。

思い出すのは、起業した当時のことです。がむしゃらに動かないと軌道に乗らない時期があって。その時に「子育ての時間を大事にしつつ、今までの収入もあってほしい」と言われたことがあるんです。そこまで求められると、どう動けばいいのかわからなくなって。あの一言は、たぶん死ぬまで抱えて持っていきます笑。

ただ、そこからは「起業したばかりの時期だけは、やらせてほしい」と話し合いを重ねて。仕事が軌道に乗ってきた今は、子どもといる時間も仕事の時間も、うまく使えるようになりました。一番つらい時期でしたけど、あそこで話せてよかったなと思います。

家事をする割合でいえば5対5に近いはずなんですけど、主導権は女性が持っていて、男の人の「手伝う幅」が増えた、みたいなイメージです。把握しているのも、割り振っているのも、こっちなので。

6,自分の時間と、これから

我慢している、自分が犠牲になっていると感じることはありますか。

あんまり感じないですね。自分の心に余裕があるかないかで、子どもへの接し方も夫への接し方もすごく変わるとわかっているので。1日30分だけは夫に子どもを預けて走るようにしています。走り終わると、モヤモヤしていたこともどうでもよくなっていたりして。

最近は落ち着いてきたので、夜に一人で映画を見に行ったり、大浴場に行ったり。夫が夜勤明けの日や休みの日に、夜出るね、とカレンダーで共有して。

こういう話って、友達同士ではあまりしないんですよね。カレンダーの共有も、溜める前に先に出してみることも、私もやってみようと思うことがたくさんありました。

座談会に参加する前は、モヤモヤなんてそんなにないけどな、と思っていたんです。でも話しているうちに、だんだん思い出してきて。もっと言ってもいいかも、もっと強く出てもいいかも、もっと自分の時間を大事にしてもいいかも、と思いました。

私は逆に、夫に頼りすぎかな、やらなさすぎかなと思っていたんですけど。みなさんの話を聞いて、もうちょっと頼っていこうかなと思いました。

みなさんのお話をうかがって思ったのは、うまくいっているご家庭ほど、最初からうまくいっていたわけではない、ということです。揉めて、伝え方を変えて、また揉めて。その繰り返しの先に、いまの形がある。正解があるとしたら、それは分担の割合ではなくて、変えつづけられる関係のことなのかもしれません。今日はありがとうございました。

〜それぞれの「プロセス」から見える、正解探しのヒント〜

クマさん
役割を固定せず、まず「気づいた方がやる」で回してみる。
決めてしまうと、できなかった時に責める言葉が生まれるから。

フクロウさん
うまくいかない部分が出てきたら、溜める前に小さく伝える。
「レベル5になる前にお伝えします」爆発の前に、伏線を共有する。

キツネさん
言葉で伝わらない時は、カレンダーなど別の手段を使う。
「今日はあなたの番です」「疲れました」忙しさは、書けば見える

コアラさん
相手が気づけないことは、こちらの伝え方を変えてみる。
細かいことは自分で、大きくてわかりやすい仕事を託す。

フクロウさん
子どもが大きくなったら、夫婦から家族の分担へ移していく。
お米の当番、出汁をつける当番。回す相手は、二人だけじゃない。

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