福井の地で、志す道を自分らしく歩んでいる人たちは、どうやって現状を切りひらいたのか。無意識の思い込みをどうやって乗り越えたのか。歩んできた道とこれから目指す道とは―――。
キャリアも家庭もあきらめない。種火を灯し、真ん中の道を行く。

キャリアも家庭もどちらもあきらめず、バランスをとりながら真ん中の道を歩き続けています。出産後、仕事か家庭の二者択一しか選択肢がないことに納得がいかず、上司やパートナーの理解を得て、限られた時間の中、優先順位をつけて取り組んできました。
福井に来た3年前、コロナ禍でコミュニケーションが取りづらく、スウェーデンでコーヒーブレイクを意味する「FIKA(フィーカ)」の名で職員とゆるく対話をする場を設けました。それは今年、福井県庁内にオープンした「FIKA BASE」という共創拠点につながっています。対話の中で感じたのは、福井の女性は仕事も家庭も頑張りすぎているということ。現在は副知事として当事者目線を活かした女性活躍や働き方改革、子育て支援などの施策を推進しています。福井に限らず年代による意識の違いはありますが、自分の思い込みに気づき、相手とコミュニケーションをとっていけたら、生きづらさの解消につながるでしょう。
本当に大変なときは立ち止まっていいんです。ただ、自分の「楽しさの種火」は絶やさないで。私にとって、それは「地域が輝く仕事」でした。焦らず慌てず、自分の種火を大事に歩んでいきましょう。
鷲頭 美央さん
福井県副知事
東京都出身。二児の母。2003年、総務省に入省。自治財政局·自治税務局のほか高知県総務部財政課長、さいたま市財政局長などを歴任し、2022年に福井県総務部長として就任。2023年、福井県で初の女性副知事となる。現在、子どもとともに赴任中。
撮影場所/福井市 FIKA BASE(福井県庁8F)